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WE21ジャパンからのお知らせ

【講座・イベント】【報告】アフガニスタン・スタッフ来日報告会 「アフガニスタンと日本から平和のためにできること」

アフガニスタン・スタッフ来日報告会
「アフガニスタンと日本から平和のためにできること」

2016年10月4日(火)13:00-16:00 @JICA横浜 会議室1
報告者:サビルラ・メムラワルさん(日本国際ボランティアセンター・アフガニスタン・スタッフ)
    小野山亮さん、加藤真希さん(日本国際ボランティアセンター・アフガニスタン事業担当)

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JVCより.JPGWE21ジャパン・グループで10年以上続けている活動、共育貯金箱「アジア・友だち・みらい貯金」の支援先である、日本国際ボランティアセンター(JVC)アフガニスタン事務所からサビルラ・メムラワルさんが来日しました。

2017 年1月より開始する「ピースアクション」プロジェクトの担当するサビルラさん。かつては武器に頼ることでしか、社会を生き抜く道がないと信じていましたが、今では、対話による平和構築の可能性に向けて活動しています。

今回の報告会では、サビルラさんからの報告に続き、WE21ジャパンよこすかでの平和の活動、そして車座交流会では、平和な社会の実現のために、アフガニスタン、そして日本からできることについて一緒に考えました。

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1)サビルラさんからの報告「アフガニスタン・ピースアクション」

サビルラさん.JPG

子どもの頃から「平和」のない状況のアフガニスタンの下、難民として隣国パキスタンで、武力で物事が解決できるものと信じて育ったサビルラさん。しかしそれは聖戦のためにと戦うことを誇りに思う周囲の環境から、自然なことでした。戦いをヒーロー視するドラマの影響も大きかったといいます。
そんなサビルラさんが、現地で活動するJVC(日本国際ボランティアセンター)と偶然関わることになり、当時現地代表の谷山博史さんの言葉「平和にできることがあるんだよ」と、米軍への抗議活動に同行したことで、初めてその可能性に気づき、そこからこの「ピースアクション」の事業構想が生まれました。
 
サビルラさんはこの事業に先立ち、自身の家族や地域で「身近な平和のために自分がしたこと」について、発表しあい表彰する「平和セレモニー」をこの5年間続けてきました。家族間のけんかを仲裁したり、近所同士をつないだりする「小さな平和づくり」が皆の前で表彰されるとあって、「平和をつくること」が、よいことであるということが皆の中に意識化されました。このことは、サビルラさんに平和づくりの活動への手ごたえにつながっています。
また、戦士にあこがれ、かっこいいと子どもたちが好きなおもちゃの銃について、「おもちゃの銃にNO!キャンペーン」を行い、おもちゃの銃を扱うお店に販売しないように働きかけたり、子どもたちに銃の危険性について話したり、おもちゃの銃を捨てて他のおもちゃを手にするアクションも行っているそうです。
 
オモチャの銃にNO!.JPG
しかし現実には、今のアフガニスタンは平和から遠ざかっているような状況です。外国軍の撤退が進むとともにタリバンと政府軍・外国軍との戦闘が拡大し、ISを名乗る勢力によりかつての武装勢力の再武装化も見られるそうです。米軍によるドローンを使った空爆は誤爆が多く、遠隔地からあたかもゲーム感覚で、一般市民や子どもたちが被害を受けており、さらに日本の援助により武装解除されていた民兵たちが再び銃を手にする状況が起きています。
 
それでもサビルラさんは、2001年からの「テロとの戦い」が解決どころか状況をさらに悪化させていることから、「武力は解決策ではない」ことの事実を何度も強調して話されました。そして「対話」による平和づくりの可能性を模索し、地域や家庭からつくる平和のための「ピースアクション」事業を2017年2月から始めるために、熱く平和づくりへの情熱を話されました。


2)「WE21 ジャパンよこすか」から地域での平和に向けた活動報告
WE21ジャパン・グループは37のWE21ジャパンNPOが連携して活動していますが、今回は「WE21ジャパンよこすか」での平和についての取り組みを代表の大竹恵美子さんからお話いただきました。

大竹さん.JPG横須賀は基地の町であるということから、WE21ジャパンよこすかは、これまで平和や原発をテーマに活動してきました。横須賀には米軍の横須賀基地があり、原子力空母ジョージ・ワシントンの母港です。海上・陸上自衛隊基地もあります。
しかし、原子力空母は島影で見えないところに寄港するので、横須賀市民は日常意識することはあまりありません。イラク戦争のときは横須賀基地からイラクへ戦闘機が飛び立っていたことも、もっと知ってもらいたいということで、投下された劣化ウラン弾のために今なお被害を受け続けるイラクの子どもたちの支援にとJIM-NETの「チョコ募金」を毎年続けて行っています。
しかし、地元ということで身近に基地関係者や自衛隊関係者の家族もおられるため、批判的な話題を出すことも実際には難しく感じられる現状があります。そんな中、WE21よこすかは、横須賀中央と久里浜でチャリティショップ「WEショップ」を運営し、ここを拠点に活動を行っています。
横須賀市立大津中学校の「ふれあい教室」では、生徒たちに平和教育として開発教育ワークショップを実施したり、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)の方を講師に、「憲法カフェ」を開催し、日本国憲法と改正の動きについて学ぶ場を設けています。また、米軍基地が必要かどうかの意見を集める店頭でのアンケートでは、過半数のお客さまが「不要」と回答し、基地の町として観光化されている動きと市民の考えとが一致していないことが分かりました。
そのほか、WE21ジャパンの平和政策チームで「平和リーフ」を作成し、近年教育費が削減する一方で軍事費が増加していることを知らせる活動も行っています。
平和は「つくるもの」であって「守るもの」ではないという思いで活動しています。


3)車座交流会「アフガニスタンと日本から平和のためにできること」

参加者全員で車座になって、質問や意見を交換しました。
日本でも安保法制によって戦火が近くなっており、アフガニスタンでの紛争は決して対岸の火事ではないこと。アフガニスタンの子どもたちも、日常に戦いがある環境だが、日本でも子どもたちは日々に戦いをテーマとするアニメやゲームに触れており、その怖さについてや、ドローンの脅威とその技術と日本の関わりについても話されました。
WE21の地域でもこの平和の活動に取り組みたいという声があがり、アフガニスタンから遠くにある私たちにも、できることがあるという意見がでました。平和を身近に考えることは、紛争が今なお絶えないアフガニスタンであっても、まだ遠くにあると思っている日本であっても、「平和をつくる」気持ちと行動が大切で、できることから始めてみることが大切であると話し合われました。
車座2.JPG

                                   (まとめ:広報・情報室 福井貴久子)

2016年10月05日 |