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民際協力

【民際協力】【報告】韓国・慶尚南道「慶南地域自活センター」主催イベントに参加してきました

2016年10月7日から9日にかけ、韓国・慶尚南道にある「慶南地域自活センター」が主催するイベント『自活博覧会』に招待され参加してきましたのでご報告します。  (報告:森田夕紀)

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◆「地域自活センター」地域で貧困層の人々に合わせた事業を展開
地域自活センターとは、韓国の貧困層の自立をめざして貧困層の人たち自身による事業立ち上げをサポートし、貧困から抜け出して収入を得て生活していけるよう、独立した企業になるまで支援を行なう機関です。

釜山の西に位置する慶尚南道には20の市と郡がありますが、それぞれの地域に自活センターがあり、その地域で暮らしている貧困層の人たちに合わせた事業を展開しています。

チャリティショップ「WEショップ」を拠点に、世界の環境・貧困・人権の問題に取り組んでいるWE21ジャパン・グループでは、近年急速に広がる日本国内の貧困に対して、支援金の寄付や学習会の開催、地域によってはフードドライブ(食料の寄付)などに取り組んでいます。そして、貧困層の人たちの福祉や仕事づくりにおいて、韓国は法制度や地域での支援が先進的で、WE21も韓国から学ぶことが多いことから、2012年からWE21ジャパンと慶南地域自活センターの間で相互交流が始まっています。

◆『自活博覧会』にWE21ジャパンも参加
今回参加してきたイベント『自活博覧会』は、地域自活センターが立ち上げた貧困層のための事業で生産・販売している品物を、地域に知ってもらうことを目的としたもので、金海国際空港に近い、自然あふれる閑静な公園の一角で開催されました。

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『自活博覧会』イベント会場にて

会場では、EM菌で作られた石鹸、自然ハーブが入ったシャンプーやボディソープ、おしゃれなポーチなどの小物や洋服などが販売されていました。

WE21ジャパンからはフェアトレードのジンジャーティやコーヒー、地域NPOメンバーが古布や着物地からつくったアクセサリーやバックを販売、ネコクリップのリメイクワークショップも行ないながら、各地の自活センターのメンバーに活動を紹介し、交流を深めました。

◆自立して持続的に生活できることを目指す"自活事業"
この"自活事業"と呼ばれる事業は政府からの委託を受けて実施され、事業で働く貧困層の人たちの給与は補助金で保障されるため、事業で得られた収益は3年後の独立に向けてすべて積立てられていきます。
生活に困窮している人にお金を渡すのではなく、自分で収入を得て自立し、自分の力で持続的に生活していけるように支援するという、韓国の福祉や自立に対する考え方から学ぶものは多いと感じました。

事業としては物品販売のほか、介護、出張洗濯・お風呂、洗車、カフェ運営、観光地での自転車貸出、若者の就労のためのキャリア体験・マッチング事業、障がい者付添いサービスなど、一般市民を対象にしたものから、社会的弱者とされる未就労の若者や障がい者、貧困層などを対象にしたサービスもあります。貧困層の人たち自身が貧困層を支援するための事業で働くという、助け合いも素敵なしくみだと思いました。

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左上:訪問入浴事業、右上:「カフェ運営」事業
左下:幸せな店事業(貧困層を雇用し収益は人件費等にあてられる)、右下:幸せな店店内

◆優良企業として6年連続で表彰
今回訪問した「金海地域自活センター」には、現在90人の貧困層の住民が事業に参加しており、10年間で10の企業が誕生しているそうです。
なかでも、高齢者や障がい者の介護事業を行なう企業「ケア支援センター」は、韓国に数百ある介護事業者のうち、満足度調査で上位5%に入り、優良企業として6年連続で表彰されています。また社会的弱者のための事業を行なうか、障がい者や貧困層など社会的弱者の人びとを雇用する企業として政府から認証を受けた「社会的企業」として、社会の中で認められているとのことでした。

◆今後も情報交換や経験の交流を通じ、共通の課題解決を
今年はWE21ジャパンから韓国へ訪問しましたが、来年は慶南地域自活センターがWE21ジャパンを訪問し、お互いの国に共通してある「貧困」や地域にある様々な課題を、情報交換や経験の交流を通じて少しでも解決に近づけていけるよう、今後も連携を深めていきたいと思います。

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ケア事業センターの職員と、WE21ジャパン・グループのメンバー

2016年10月19日 |