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「ミャンマーロヒンギャ難民緊急報告会」
ロヒンギャで何が起きているのか?30kmの飢餓街道

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2017年10月5日(木)、かながわ県民センターにて、NGO「ジュマ・ネット」下澤嶽さんから、
40万人以上のロヒンギャの人々が難民としてバングラデシュに流入している問題について報告会を開催しました。

バングラデシュには、すでに40万人以上がミャンマーの国境を越えて避難していると言われています。
下澤さんからは、先月9月8日-10日かけて、バングラデシュのコックスバザールに調査に入られた時の内容を
中心にお話がありました。

ロヒンギャの人びとは、ミャンマーの主にラカイン州に居住するムスリムの人びとで
100万人?130万人いると推定されています。
1962年にミャンマーの軍事政権により「違法な移民」として位置付けられ、1982年には法律によって無国籍化し、
その後、度重なる弾圧によってバングラデシュ側に難民となって流入し続けているという歴史があります。

今回、国際社会に注目されるようになったのは、
2017年8月25日に、ラカイン州にある約30箇所の警察詰所が、
ロヒンギャ武装グループのARSA(アラカン・ロヒンギャ救世軍)によって襲撃され、
その報復として「テロ掃討作戦」の名目でミャンマー軍が、100人を殺害、放火し、
一般市民にも拷問、殺害、レイプ、放火を続けているためです。

ミャンマーから脱出するロヒンギャの人びとはバングラデシュ国境へと続く30キロの道のりを、
徒歩で5日間かけて持てるものだけを持って移動し、
調査に入った現場でも道沿いでは人びとが雨をしのぐ簡易テントを立て、
食料や水もない中で過ごしていたとのことでした。

この事態に対し、ミャンマー政府は事態の沈静化に向けて介入はしておらず、
その理由として、ミャンマーにおける、アウンサン・スー・チー氏だけでは簡単に解決できない、
軍部の影響力と政治の体制があるという説明がありました。

最後に、私たちが今後にすべきこととして、下澤さんから、
生活のための緊急支援、ロヒンギャの難民認定と日本を含めた第3国受け入れ、
和平と問題解決のための国際社会の介入の3つが、示唆されました。

後半の質疑応答では、ミャンマーで活動する日本のNGOスタッフから、
緊急支援の後の再建にむけて、ミャンマーの市民の間でもロヒンギャの人びとは「違法な移民」、
「テロとつながる人びと」という認識が強い中、再建をどのように進めていくのかが重要になるとの
ご意見がありました。また民族というアイデンティティのみで国を考え、国を奪い合う、構図の先には
和平は訪れないのではないか、多様な民族が共存していくためにはどうしたらよいのか?など活発な質問や意見が出ました。

NGO「ジュマ・ネット」では9月?3ヶ月間、バングラデシュのコサックバザール県で緊急支援を開始、
9月28日には第1回目の食料物資の支援を2,600世帯に配布しましたとのこと。

ジュマ・ネット HP: http://www.jummanet.org/notice/2017/10/1-1.html


日本に暮らす私たちができることは何か。
WE21ジャパンでは今後も、メディアだけでは知ることのできない世界の問題について学びや発信の機会を設けていきます。
今日の報告会には23人の参加があり、ロヒンギャ難民の問題をどう捉え、関わっていったらよいのかなど、
活発な議論を行なうことができました。ご参加ありがとうございました。


---- 報告会概要 -----

日時:2017年10月5日(木)10:30-12:30(開場10:00)

講師:下澤 嶽 さん
    (ジュマ・ネット共同代表、静岡文化芸術大学文化政策学部国際文化学科学科長)
      <講師プロフィール 下澤嶽さん>
       特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会事務局長、特定非営利活動法人国際協力NGOセンター事務局長などを歴任。現在は、静岡文化芸術大学で教鞭を取る傍ら、バングラデシュの先住民族ジュマの人々に協力する国際協力NGOジュマ・ネットでの活動を通じて、平和構築のための活動を展開している。

会場:かながわ県民センター 301号室(90人室)

主催:認定NPO法人WE21ジャパン

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PDFはこちら

2017年10月04日 |