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WE21ジャパンでは2020年10月23日(金)に、「SDGs市民社会ネットワーク」政策担当顧問の稲場雅紀さんを講師としてお招きし、WE講座「コロナ禍とSDGs?コロナ禍後の社会の立て直しに向けて?」をオンラインと実会場両方で開催致しました。

SDGsはコロナ禍でどのような影響を受け、またコロナ後のより良い明日への立て直しのためにどんな役割を果たし得るのか、お話を伺いました。実会場では検温やアルコール消毒、換気の徹底を行い、新型コロナウイルス感染症予防対策を万全にした上で開催致しました。

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当日は実会場への参加者が23名、オンラインでの参加者が28名で、計51人の方々にご参加を頂きました。

SDGsとは2015年9月に国連サミットで採択された、2030年に向けて、「つづかない世界」から「つづく世界」への転換を目指した世界の指針です。17の目標の達成によって、世界から貧困をなくすこと、そして「つづかない世界」を「つづく世界」に変えること(持続可能な社会を実現)を目指すために、日本を含む「先進国」も本気で取り組む必要があり、「誰も取り残さない」そして「いつも最後に来る人を最初に」がポイントになっています。

2020年初頭から、新型コロナウイルス感染症の問題が、世界規模で広がっています。この背景にもSDGsは密接に関わっています。SDGsが解決しようとしている、気候変動、生物多様性の喪失、貧困、格差といった「慢性的危機」は、新型コロナウイルス感染症も含む様々な急性的な危機を生み、人々の命と生活を破壊します。「SDGsへの取り組みは新型コロナウイルス感染症問題が落ち着いてから」ではなく、今だからこそ取り組まなければならないのです。

例えば、SDGsの目標3「保健」は、各国の都市貧困層への感染拡大に関わっています。そもそも貧困層の人びとの都市への流入の背景には、気候変動の影響があります。そして都市スラムの人口密度の高い過酷な環境、選択肢の少なさによるジャンクフードが中心の食生活が新型コロナウイルス感染症の重症化につながっています。

また日本にも関わる問題として、目標16「ガバナンス」の問題があります。目標16では政府の統治の透明性、公開性、民主的な手続きが掲げられていますが、日本では緊急事態においてこれらが喪失し、また最前線で影響を受けた患者や感染者の方々が、差別、偏見、排除の対象となるといった事態も起きました。一方で韓国、台湾は新型コロナウイルス感染症対策三原則として「透明性、公開性、民主的な手続き」を掲げ成功し、各国から民主主義国家の新型コロナウイルス感染症対策モデルとして注目されました。

このようにコロナ禍は、私たちが解決しなければならない「慢性的な危機」を浮き彫りにしたともいえます。この危機に立ち向かうための指針がSDGsです。コロナ禍の今だからこそ、真に「誰ひとり取り残さない」「持続可能な社会」を実現していくために、私たちに何ができるかを考えさせられる、貴重な機会となりました。


【開催概要】

日程:2020年10月23日(金)13:30-15:30

会場:横浜市開港記念会館 9号室(横浜市中区本町1丁目6番地)※ZOOMでのオンライン配信も実施

講師:稲場雅紀さん(SDGs市民社会ネットワーク政策担当顧問)

参加費:500円

主催:認定NPO法人WE21ジャパン

企画:平和政策チーム

講座チラシ:PDF


※講師プロフィール

稲場雅紀さん(SDGs市民社会ネットワーク政策担当顧問)
稲場さんの写真.jpg90年代に横浜市の日雇い労働者の街・寿町で保健・医療の活動に従事した後、LGBTの人権やHIV/エイズに関する活動を経て、2002年からNPO法人「アフリカ日本協議会」で感染症や国際保健に関する政策提言等に取り組む。またNGO/NPOのネットワーク全国組織「SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)」の設立に関わり代表理事をつとめ、現在は政策顧問。日本政府が設置する「SDGs推進円卓会議」構成員でもある。

2020年10月06日 |